Sapporo · 2026.04.30 · Field note no. 1
佐藤遼弥は、鉱山の酸性廃水処理プロセスに玄武岩や石灰岩を投入することで、廃水処理と CO₂ 固定を同時に達成する技術の事業化を進めている。GAP Fund から500万円、NEDO NEP から300万円の採択を受け、2026年に北海道内 3 サイトでの実証実験を予定。創出されるカーボンクレジットの売上計画は 2030 年に2.21億円を見込む。
CDR²(CDRsquared)は、鉱山廃水処理と CO₂ 除去(Carbon Dioxide Removal)を組み合わせ、国内発のカーボンクレジットを創出するスタートアップ。事業モデルは2つに分かれる。モデル A では、未処理の酸性鉱山廃水サイトに玄武岩・石灰岩を散布し、化学反応によって CO₂ を恒久的に固定。生成されたクレジットをバイヤー企業に販売し、廃水処理フィー(CDR収入の10%)を鉱山事業者から得る。モデル B では、すでに処理されている鉱山廃水に CO₂ 測定装置を設置し、測定データをもとに炭素会計コンサルティングを提供する。
国内で恒久的かつ高品質なカーボンクレジットの供給は依然として極めて少ない。一方で、日本には全国に酸性鉱山廃水を排出する休廃止鉱山が点在し、その処理は数十年にわたり「コスト」として扱われてきた。CDR² はこの未利用資源を、国際認証可能な CDR クレジットの源泉に転換することを目指す。
共同創業者は武田理熙(スタートアップ共同創業経験あり)。技術面では北海道大学の佐藤努教授(岩石風化・廃水処理 30 年)からの支援、廃水処理技術と LCA/TEA 解析は中村風五が担当する。元三菱商事で現在 VC の滝川クリス晃史氏が外部支援者。